サマリー
◆日本の経済安全保障政策は、「守り」の政策から「攻め」の政策へと転換するなど新たな局面に入った。今後注目されるのは、非先端の半導体製造装置の輸出管理をはじめとする日本の対外規制の強化だ。また、米政府が対中規制強化の理由の一つに挙げたウクライナ問題や、日米などの対中規制に対する中国政府の反応も注視すべきだろう。
◆仮に日本が厳しい対中輸出管理や対中投資規制を実施すれば、輸出が年間で2兆円超減少するのみならず、中国現地法人の収益面に悪影響が及ぶと試算される。また対中投資規制によって日本企業の国内回帰が発生しても、厳しい輸出管理下では、日本が中国向けの販売拠点にならないため、国内回帰による経済効果の大部分は失われるとみられる。
◆今後、日本は輸出管理の範囲を必要最小限にとどめ、国内回帰の促進との両立を目指すことが望ましい。第三国に資本を移す企業も多いとみられることから、直接投資収益率が比較的高く、地政学リスクが小さいASEANなどへの資本移管を後押しすることも有効だ。この点、交渉が進むインド太平洋経済枠組み(IPEF)の活用がカギを握る。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
経済指標の要点(7/15~8/18発表統計)
2026年08月18日
-
2026年4-6月期GDP(1次速報)
3四半期連続のプラス成長となるも、個人消費や設備投資は減少
2026年08月17日
-
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
-
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
-
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
-
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
-
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日

