サマリー
本稿では、新型コロナウイルス禍以降のインバウンド消費の特徴を整理した上で、政府のインバウンド推進計画の達成に向けた課題を検討した。加えて、為替レートに関するシナリオ分析を通じてシナリオ別にインバウンド消費の見通しを示し、政府目標達成の確度を評価した。
経済正常化の一段の進展や円安の進行もあり、インバウンド消費は大きく増加している。さらなるインバウンド消費拡大には、観光の質の向上が重要だ。とりわけ、日本独自の観光コンテンツを体験する「コト消費」の増加がカギを握る。訪日外国人旅行者数や一人当たり旅行消費額などについては、政府目標水準が掲げられている。円高リスクが燻る中、目標達成に向けては為替の変動に左右されにくいインバウンド消費の構造を目指す必要がある。具体的には、為替弾性値の低い欧米からの訪日外国人数の増加や、コト消費を含むサービス消費の一人当たり消費額の増加などが挙げられる。
政府は「訪日マーケティング戦略」を2023 年6月に策定し、2025 年度にかけて実行していく方針だが、こうした取り組みが上手く機能するか、今後の動向を注視する必要がある。

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