サマリー
◆2022年1-3月期の実質GDP成長率は前期比年率▲1.0%(前期比▲0.2%)と2四半期ぶりにマイナス成長となったが、市場予想は上回った。新型コロナウイルスの感染状況の急速な悪化を受けて個人消費が伸び悩んだ。さらに、感染拡大や部品不足の影響による自動車の減産も景気を下押しした。交易条件の悪化を通じた所得流出額を加えた実質GDIは同▲2.7%と、実質GDPよりもマイナス幅が大きく、家計や企業の所得環境はGDPで見る以上に悪化している。
◆4-6月期の実質GDP成長率は個人消費がけん引する形で前期比年率+5.3%と見込んでいる。実現すれば、実質GDPは感染拡大前(2019年10-12月期)の水準を回復する。資源高や円安を受けて幅広い品目で値上げが広がっているが、大幅に積み上がった家計貯蓄が個人消費への悪影響を緩和するだろう。ただし、輸出を中心に下振れリスクが大きく、増加を見込む輸出が海外経済の動向次第では減少に転じる可能性がある。
※当社は、5月24日(火)に「第213回日本経済予測」の発表を予定している。
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