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携帯電話通信料の引き下げとCPIへの影響

特殊要因を除けば20年度の全国コアCPIは前年比プラス

2021年05月11日

経済調査部 エコノミスト 岸川 和馬

サマリー

◆2021年4月の東京都区部コアCPIは前年比▲0.2%だった。通信大手各社による値下げを受けた「通信料(携帯電話)」(同▲26.5%)の低下により、都区部コアCPIの前年比変化率は0.4%pt押し下げられた。仮に全国でも「通信料(携帯電話)」が同程度の前年比下落率となれば、全国コアCPIは同0.6%pt押し下げられる計算になる。

◆CPIの推移や見通しは政策要因によって大きく振れているが、これらの要因を除いた物価の基調は20年4月以降底堅く推移している。新型コロナウイルス感染症が拡大した当初は景気の急激な悪化によってデフレに陥ることが懸念されていたが、これに反して20年度の特殊要因を除くコアCPIは前年比+0.1%と、わずかながらもプラスの伸び率を維持した。

◆Go Toトラベル事業や携帯電話通信料の引き下げは短期的には物価を押し下げる効果があるが、家計の購買力が高まることで幅広い財やサービスの需要拡大を後押しするため、中長期的にはむしろ物価の基調を押し上げる要因になろう。携帯電話通信料の引き下げを踏まえ、当社では21年度の見通しを前年比▲0.1%と下方修正する。ただしこれは政策要因によるものであり、物価の基調は引き続き緩やかな回復を見込んでいる。

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