サマリー
◆コロナショックは、個人消費に量的な変化だけでなく質的な変化ももたらした。飲食料品において小売物価と購入単価の動きを比較すると、コロナショック後に家計の高価格志向、いわゆる「プチ贅沢」志向が強まったとみられ、その傾向は足元でも継続している。コロナ禍で雇用者報酬は減少したものの、一人当たり10万円の特別定額給付金やサービス消費の自粛により家計の貯蓄が積み上がったことが「プチ贅沢」志向に拍車をかけたと考えられる。
◆10年先の人口動態を踏まえると、コロナショックで生じた在宅関連需要の高まりや、外食が減少する中での飲食料品のプチ贅沢志向の強まりといった変化は、ポストコロナ時代も継続すると考えられる。すなわち、企業がコロナショックで生じた消費構造の変化に対応することは、10年先の経済社会構造を見据えた取り組みという側面があるため、企業の持続可能性を高めることにもなろう。
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