2020年10月機械受注

幅広い業種で受注が増加し、民需は大幅回復

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2020年12月09日

  • 経済調査部 エコノミスト 小林 若葉

サマリー

◆2020年10月の機械受注(船電除く民需)は前月比+17.1%と、コンセンサス(同+2.5%)を上回り、大幅に増加した。現行統計開始以来最大の伸び率となり、受注額は2020年3月以来の水準まで回復した。民需(船電除く)には100億円以上の大型受注がなかったものの、国内外で需要が回復したことを受けて幅広い業種で増加した。

◆製造業は前月比+11.4%と2ヶ月連続で増加した。非鉄金属やその他製造業などからの受注額が増加した。非製造業(船電除く)は同+13.8%と2ヶ月連続で増加した。金融業・保険業や卸売業・小売業、宿泊業や飲食店などを含むその他非製造業などからの受注増加が寄与した。新型コロナウイルス感染拡大の悪影響を大きく受けた接触型のサービス業からの受注額も回復基調にある。外需は同+20.7%と2ヶ月ぶりに増加した。海外における設備投資は、中国を中心に回復しているとみられる。

◆先行きの民需(船電除く)は、11月に関しては幅広い業種で反動減が表れるとみられる。しかしその後は国内外の需要回復や、それに伴う設備稼働率の上昇を受けて、均せば回復基調が続くだろう。ただし、欧州などの一部の国で強化された感染拡大防止策の影響や、国内での感染拡大の深刻化の影響などが受注回復の重石となる可能性には注意が必要だ。

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