サマリー
◆2020年9月の機械受注(船電除く民需)は前月比▲4.4%と、コンセンサス(同▲1.0%)を下回り、3ヶ月ぶりに減少した。製造業、非製造業(船電除く)ともに増加したが、製造業からの受注には船舶が含まれており、これを除いた製造業は減少したとみられる。また季節調整は業種ごとに行われているため、各業種の受注額の合計は全体とは一致しない。
◆製造業は前月比+2.0%と2ヶ月ぶりに増加した。食品製造業、化学工業などからの受注額が増加した。非製造業(船電除く)は同+3.2%と2ヶ月ぶりに増加した。通信業や金融業・保険業などからの受注増加が寄与した。外需は前月比▲16.7%と3ヶ月ぶりに減少した。前月に引き続き大型受注が複数件あったものの、大幅に増加した前月からの反動減の影響が大きく表れた。
◆2020年7-9月期の民需(船電除く)は、前期比▲0.1%と小幅ながら5四半期連続で減少した。内閣府が公表した10-12月期の見通しは同▲1.9%と更なる減少が見込まれている。ただし、見通しは過去3四半期の平均達成率を考慮することから、4-6月期の達成率の低さが影響を及ぼし、実態よりも弱めに見込まれていると考えられる。
◆先行きの民需(船電除く)は、当面は弱い動きが続くものの、国内外の需要回復や、それに伴う設備稼働率の上昇を受けて冬頃には下げ止まるとみている。ただし、先行き不透明感が払拭されない中では、企業は能力増強投資などの計画を先送りするとみられ、本格的な回復には相当な時間がかかろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
-
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
-
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
-
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
-
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日