2020年9月機械受注

民需は3ヶ月ぶりに減少、先行きも弱い動きが続く

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2020年11月12日

  • 経済調査部 エコノミスト 小林 若葉

サマリー

◆2020年9月の機械受注(船電除く民需)は前月比▲4.4%と、コンセンサス(同▲1.0%)を下回り、3ヶ月ぶりに減少した。製造業、非製造業(船電除く)ともに増加したが、製造業からの受注には船舶が含まれており、これを除いた製造業は減少したとみられる。また季節調整は業種ごとに行われているため、各業種の受注額の合計は全体とは一致しない。

◆製造業は前月比+2.0%と2ヶ月ぶりに増加した。食品製造業、化学工業などからの受注額が増加した。非製造業(船電除く)は同+3.2%と2ヶ月ぶりに増加した。通信業や金融業・保険業などからの受注増加が寄与した。外需は前月比▲16.7%と3ヶ月ぶりに減少した。前月に引き続き大型受注が複数件あったものの、大幅に増加した前月からの反動減の影響が大きく表れた。

◆2020年7-9月期の民需(船電除く)は、前期比▲0.1%と小幅ながら5四半期連続で減少した。内閣府が公表した10-12月期の見通しは同▲1.9%と更なる減少が見込まれている。ただし、見通しは過去3四半期の平均達成率を考慮することから、4-6月期の達成率の低さが影響を及ぼし、実態よりも弱めに見込まれていると考えられる。

◆先行きの民需(船電除く)は、当面は弱い動きが続くものの、国内外の需要回復や、それに伴う設備稼働率の上昇を受けて冬頃には下げ止まるとみている。ただし、先行き不透明感が払拭されない中では、企業は能力増強投資などの計画を先送りするとみられ、本格的な回復には相当な時間がかかろう。

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