サマリー
◆5月の生産指数は前月比+2.3%と2ヶ月連続で上昇し、コンセンサス(同+0.7%)を大幅に上回った。5月の輸出数量指数は、幅広い国・地域で低下していたが、日本国内での新車投入の影響もあり、生産は一時的に増加したようだ。また、10連休中に稼働した工場も多かったようであり、指数の上昇に寄与した可能性がある。
◆業種別では、自動車工業や電気・情報通信機械工業などが上昇した。品目別では普通乗用車、デスクトップ型パソコンなどが上昇に寄与した。自動車工業は一進一退の推移が続いている。国内の新車販売台数は4月、5月で増加したが、新車投入による一時的な効果である可能性や海外市場の自動車販売が鈍化していることを踏まえると、先行きには注意が必要である。電気・情報通信機械工業は、2019年1月に急低下した後、回復傾向となっている。電気機械工業が軟調な推移となる一方で、情報通信機械工業が急上昇している。情報通信機械では、スマートフォンなどが含まれる無線通信機器や、クレジットカード決済の端末などが含まれる情報端末装置が堅調である。キャッシュレス対応のための設備投資が進んでいるのかも知れない。
◆製造工業生産予測調査を見ると6月:前月比▲1.2%、7月:同+0.3%と見込まれている。また、計画のバイアスを補正した6月の生産指数は同▲1.7%(経済産業省による試算値、最頻値)と推計されており、生産の減少が予測されている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年3月雇用統計
失業率は上昇するも、求人倍率が上昇するなど雇用環境は悪くない
2025年05月02日
-
消費データブック(2025/5/2号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2025年05月02日
-
2025年1-3月期GDP(1次速報)予測 ~前期比年率+0.5%を予想
外需が下押しも内需は堅調/小幅ながら4四半期連続のプラス成長
2025年04月30日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
-
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
-
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日