2018年9月貿易統計

広範な国・地域で輸出数量が減少、特殊要因があるものの基調としても弱い

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2018年10月18日

  • 経済調査部 研究員 廣野 洋太
  • 小林 俊介

サマリー

◆9月の貿易統計によると、輸出金額は前年比▲1.2%と前月(同+6.6%)からマイナス転換、一方、輸入金額は同+7.0%と前月(同+15.3%)からプラス幅が縮小した。貿易収支は1,396億円と3ヶ月ぶりの黒字となった。

◆輸出数量(大和総研による季節調整値)は前月比▲5.4%と大幅に減少した。地域別では、米国向け(同▲1.5%)、EU向け(同▲5.6%)、アジア向け(同▲2.3%)など総じて減少した。米国では、自動車の減少が大きかった。米国内の自動車販売は、9月単月では増加しているが趨勢としては軟調である。輸出の水準についても堅調であった2017年中ごろの水準を下回っている。EUでも自動車が大きく下げている。欧州の自動車販売については、9月からの新しい燃費試験の導入に伴い、8月に駆け込み需要が発生。9月には反動が出ており日本の輸出も影響を受けた可能性がある。アジアでは、鉄鋼が8月までは増加傾向となっていたものの、足下では大きく減少している。

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