サマリー
◆米中の通商政策を巡る紛争は、「延長戦」に突入した。とりわけ米国トランプ大統領は追加関税への意向をも表明しており、今後の展開には不確実性が残る。
◆現時点で決定された政策は大別して、①米国による鉄鋼・アルミニウム関税引き上げ、②米国による中国からの輸入品500億ドル相当に対する関税の引き上げ、③中国による同額の報復関税、④中国による自動車等を含めた関税の引き下げ、の四つである。
◆本稿では、各決定が日本企業の収益および日本経済に与える影響を網羅的に試算した。総じて言えば①②③のマイナス効果を④のプラス効果が概ね相殺する見通しだ。
◆むしろ日本企業にとっての最大の正念場は、今後控えている自動車の通商交渉となろう。仮に、トランプ大統領が主張している通りに関税の引き上げが行われた場合、2兆円を超える、文字通り桁違いの関税コストの増加が見込まれる。
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