2018年3月機械受注
製造業が大幅減だが、1-3月期では4四半期連続の増加
2018年05月17日
サマリー
◆3月の機械受注(船舶・電力を除く民需)は、前月比▲3.9%と3ヶ月ぶりに減少した。非製造業(船舶・電力を除く)は増加したものの、製造業が同▲17.5%と大幅に減少し、全体を押し下げた。
◆3月の結果を受けて、2017年度の機械受注(船舶・電力を除く)は、前年度比▲0.8%となった。製造業が同+9.2%と増加した一方、非製造業が同▲7.8%と全体を押し下げた。世界経済の拡大に伴う輸出増加を受けて、製造業が好調であった一方、非製造業は2016年度の鉄道車両の大型受注の押し上げ効果が剥落したことで、大幅減となった。
◆3月の製造業の受注は大幅に減ったものの、1-3月期では前期比+2.5%と4四半期連続の増加となった。4-6月期も同+9.9%を見込んでおり、堅調さが維持される見込みだ。一方、非製造業(船電を除く)は2017年度では減少したものの、1-3月期実績では前期比+3.4%、4-6月期で同+3.7%を見込んでおり、持ち直しの動きが見られている。
◆設備投資の先行指標である機械受注は、緩やかに増加した後、遅くとも2019年ごろには減速するとみている。製造業では、機械・設備への更新需要が生じているものの、設備投資のサイクルが10年程度の周期で動いており、遅くとも2019年ごろには減速局面に至る可能性が高い。一方、非製造業では、人手不足に対応するためのIT投資が期待されるものの、IT人材の不足が投資コストを上昇させていることは懸念材料だ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2021年01月19日
コロナ禍での中小企業の資金繰り動向
資金繰りとバランスシートの頑健性を点検
-
2021年01月19日
消費データブック(1/19号)
個社データ・業界統計・POSデータで足元の消費動向を先取り
-
2021年01月19日
何故、ミャンマーじゃないの
ミャンマーとベトナム、明暗分かれる
-
2021年01月18日
経済指標の要点(12/16~1/18発表統計分)
-
2021年01月18日
新局面を迎えるナウキャスティング
よく読まれているリサーチレポート
-
2020年12月17日
2021年の日本経済見通し
+2%超の成長を見込むも感染状況次第で上下に大きく振れる可能性
-
2020年12月01日
2020年10月雇用統計
有効求人倍率が1年半ぶりに上昇
-
2020年11月20日
日本経済見通し:2020年11月
経済見通しを改訂/景気回復が続くも、感染爆発懸念は強まる
-
2020年08月14日
来春に改訂されるCGコードの論点
東証再編時における市場選択の観点からも要注目
-
2020年10月15日
緊急事態宣言解除後の地域別観光動向/Go To トラベルキャンペーンのインパクト試算
ローカルツーリズムが回復に寄与するも、依然厳しい状況が続く