2017年12月消費統計

個人消費は一旦の足踏み

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2018年01月30日

  • 経済調査部 研究員 廣野 洋太
  • 小林 俊介

サマリー

◆2017年12月の家計調査では、生鮮野菜とエネルギーの価格高騰や、前月に好調であった「家事用耐久財」の反動などで実質消費支出が前月を下回った。一方、供給側統計の商業動態統計は前月比プラスとなっており、「飲食料品小売業」や「燃料小売業」などが増加に寄与した。ただし、商業動態統計は、数量ではなく金額ベースの販売額であり、生鮮野菜やエネルギー価格高騰によって底上げされているとみられる。以上を総合的にみれば、2017年12月の実質個人消費は一旦の足踏みとなっている。


◆2017年12月の家計調査によると、実質消費支出は季節調整済み前月比▲2.5%と2ヶ月ぶりに減少した。また、振れの大きい住居や自動車などを除いた実質消費支出(除く住居等)についても同▲1.2%と2ヶ月ぶりに減少している。実質消費支出は、2017年6月頃からほぼ横ばいの推移を続けていたが、足下では弱含んでいる。費目別に見ると「食料」(同▲2.1%)、「家具・家事用品」(同▲13.9%)などが全体を押し下げた一方、「教養娯楽」(同+2.3%)と「その他の消費支出」(同+1.2%)が、押し上げに寄与した。


◆2017年12月の商業動態統計を見ると、名目小売販売額は前月比+0.9%と2ヶ月連続で増加した。名目小売販売額は、2017年に入ってからは横ばい圏での推移が続いていたが、足下で急回復が見られる。業種別に見ると、「飲食料品小売業」(同+2.3%)、「燃料小売業」(同+2.7%)、「自動車小売業」(同+3.8%)が全体を押し上げた。一方、全体の押し下げ要因となったのは「機械器具小売業」(同▲2.9%)である。

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