サマリー
◆労働力調査によると、2017年11月の完全失業率(季節調整値)は、前月から0.1%pt低下し、24年ぶりに2.7%となった。失業者数は前月差▲2万人と2ヶ月連続で減少した一方、就業者数は同+14万人と3ヶ月ぶりに増加した。また、非労働力人口は同▲11万人と3ヶ月ぶりに減少した。労働参加が進んだ上での失業率の低下であり、雇用動向は引き続き良好である。
◆一般職業紹介状況によると、2017年11月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月から0.01pt上昇し1.56倍となった。また、新規求人倍率(季節調整値)は前月から0.01pt上昇し2.37倍となり、過去最高を記録した。有効求人倍率、新規求人倍率はともに歴史的高水準で推移しており、労働需給は非常にタイトな状況にある。また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月から0.02pt上昇し1.05倍となった。
◆毎月勤労統計によると、2017年10月の現金給与総額は前年比+0.2%と3ヶ月連続で増加し、267,433円となった。内訳を見ると、所定内給与(同+0.3%)と特別給与(同+0.2%)が増加した一方、所定外給与(同▲0.1%)は減少した。特に一般労働者の所定内給与の増加が全体を押し上げた。
◆先行きの労働需給は、非製造業・中小企業を中心にタイトな状況が続き、失業率は2%台で推移するとみている。失業率は1980年に1%台を記録しているが、今後、その水準まで低下するには、求人側と求職側の業種に関するミスマッチの解消が必要だ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年5月全国消費者物価
米価格の上昇が他の食料品や外食など関連品目の価格にも波及
2025年06月20日
-
2025年5月貿易統計
輸出数量は横ばい圏を維持も、円高効果等で輸出額は8カ月ぶりに減少
2025年06月18日
-
2025年4月機械受注
民需(船電除く)は減少し、コンセンサス通りの結果だった
2025年06月18日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日