サマリー
◆2017年9月の需要側統計の家計調査では、8月の長雨で抑制されていた費目への支出増を背景に実質消費支出が前月を上回った。供給側統計の商業動態統計においても、同様の理由により、「織物・衣服・身の回り品小売業」などが増加したことで前月を上回る販売となった。
◆2017年9月の家計調査によると、実質消費支出は季節調整済み前月比+0.4%と2ヶ月連続で増加した。また、振れの大きい住居や自動車などを除いた実質消費支出(除く住居等)については同+0.1%と3ヶ月ぶりに増加している。しかし均してみれば、実質消費支出はほぼ横ばいとなっており、その回復には足踏みが見られる。実質消費支出の動きを費目別に見ると、10大費目中5費目が前月から増加した。費目別に見ると、「住居」(前月比+16.9%)が全体を押し上げた一方、「教養娯楽」(同▲3.6%)、「食料」(同▲0.8%)が押し下げの主因となったもようである。
◆2017年9月の商業動態統計を見ると、名目小売販売額は季節調整済み前月比+0.8%と2ヶ月ぶりに増加した。比較的大きな伸びとなったが、8月の大幅減(7月比▲1.6%)の反動も大きいとみられる。名目小売販売額は、2015年終盤から2016年頭にかけての低迷期と比較すると高い水準を維持しているが、2017年に入ってからは、均してみれば横ばい圏での推移が続いている。名目小売販売額を業種別に見ると、「織物・衣服・身の回り品小売業」(前月比+5.9%)が増加に寄与した一方、「自動車小売業」(同▲1.4%)が主要なマイナス要因となったようである。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年5月全国消費者物価
米価格の上昇が他の食料品や外食など関連品目の価格にも波及
2025年06月20日
-
2025年5月貿易統計
輸出数量は横ばい圏を維持も、円高効果等で輸出額は8カ月ぶりに減少
2025年06月18日
-
2025年4月機械受注
民需(船電除く)は減少し、コンセンサス通りの結果だった
2025年06月18日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日