2017年5月機械受注
非製造業の受注に減速感
2017年07月10日
サマリー
◆2017年5月の機械受注統計によると、国内設備投資の先行指標である民需(船舶・電力を除く)は、市場コンセンサス(前月比+1.6%)に反して、同▲3.6%と2ヶ月連続で減少した。製造業が同+1.0%と4ヶ月連続で増加したものの、非製造業(船舶・電力を除く)が同▲5.1%と3ヶ月連続で減少したことが全体を押し下げた。これを受けて、内閣府は基調判断を「持ち直しの動きに足踏みがみられる」から「足踏みがみられる」に変更した。
◆内閣府が公表している4-6月期見通しは、民需(船舶・電力を除く)が前期比▲5.9%と2期連続でのマイナスを見込んでいるものの、4・5月の受注実績は1-3月期比▲3.5%と、実績値は見通しよりも小幅なマイナスにとどまりそうだ。4・5月の受注実績は、製造業は1-3月期比+5.5%である一方、非製造業が同▲9.4%と減速感が見られる。
◆設備投資の先行指標である機械受注は、一進一退の推移を見込んでいる。製造業においては、昨年後半から稼働率は上昇トレンドにあるものの、米国やアジア向け輸出の増勢が弱まっていることに警戒が必要だ。非製造業においては、増加を続ける訪日外国人や2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えた交通・物流インフラ整備向けの投資が期待されるものの、ここまで高水準での受注が続いてきた反動が現れている点は気掛かりだ。また、省力化投資という観点では、「電子計算機」「運搬機械」「産業用ロボット」の三つの機種の受注動向に注目したい。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2021年01月20日
日本経済見通し:2021年1月
1-3月期は小幅な景気悪化を見込むも「二番底」リスクを排除できず
-
2021年01月20日
日本経済中期予測(2021年1月)解説資料
~コロナ禍で変容する世界経済と加速するグリーン化の取組~
-
2021年01月20日
日本経済中期予測(2021年1月)
コロナ禍で変容する世界経済と加速するグリーン化の取組
-
2021年01月20日
中国:V字回復下の中国経済の注目点
感染第2波は回避へ。注目される接触型消費の完全復活の成否
-
2021年01月20日
新たな科学技術・イノベーション政策への期待
よく読まれているリサーチレポート
-
2020年12月17日
2021年の日本経済見通し
+2%超の成長を見込むも感染状況次第で上下に大きく振れる可能性
-
2020年12月01日
2020年10月雇用統計
有効求人倍率が1年半ぶりに上昇
-
2020年11月20日
日本経済見通し:2020年11月
経済見通しを改訂/景気回復が続くも、感染爆発懸念は強まる
-
2020年08月14日
来春に改訂されるCGコードの論点
東証再編時における市場選択の観点からも要注目
-
2020年10月15日
緊急事態宣言解除後の地域別観光動向/Go To トラベルキャンペーンのインパクト試算
ローカルツーリズムが回復に寄与するも、依然厳しい状況が続く