サマリー
◆4月の生産指数は前月比+4.0%と、市場コンセンサス(同+4.2%)を下回ったものの、非常に強い結果となり、2017年度の景気拡大が期待できる好スタートと評価できよう。一方、4月の出荷指数は同+2.7%と2ヶ月ぶりの上昇、在庫指数は同+1.5%と5ヶ月連続の上昇、在庫率指数は同+2.9%と2ヶ月連続の上昇となった。
◆製造工業生産予測調査によると、5月、6月の生産指数は前月比▲2.5%、同+1.8%と、5月の減産から6月の増産を見込んでいる。仮に5月、6月の生産が予測指数通りの結果となった場合、4-6月期では前期比+2.7%の着地となる。1-3月期は同+0.2%と伸びが鈍化していた(2016年10-12月期:同+1.8%)が、世界経済回復による輸出拡大、個人消費の底入れ、人手不足に対応した省力化・効率化投資が生産を押し上げると考えられる。
◆2017年7月以降に関しては、緩やかな増産を見込んでいる。資本財は人手不足に対応した省力化・効率化投資が全体を押し上げるだろう。耐久消費財については、家電エコポイント導入時に購入された白物家電等が買い替えサイクルを迎えていること等から、今後は底堅く推移することが見込まれる。外需についても、米国向け輸出に関しては増勢が一服しているものの、EU向けやアジア向けの輸出は好調を維持し、生産を押し上げるであろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年5月全国消費者物価
米価格の上昇が他の食料品や外食など関連品目の価格にも波及
2025年06月20日
-
2025年5月貿易統計
輸出数量は横ばい圏を維持も、円高効果等で輸出額は8カ月ぶりに減少
2025年06月18日
-
2025年4月機械受注
民需(船電除く)は減少し、コンセンサス通りの結果だった
2025年06月18日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日