サマリー
◆労働力調査によると、2017年3月の完全失業率(季節調整値)は、前月から横ばいの2.8%となった。労働供給は前月より増加しており、内容は改善している。失業者数は前月差▲6万人と3ヶ月連続で減少した一方、就業者数は同+13万人と2ヶ月ぶりに増加した。また、非労働力人口は同▲11万人と3ヶ月ぶりに減少した。
◆一般職業紹介状況によると、2017年3月の有効求人倍率(季節調整値)は前月から0.02pt上昇し1.45倍となった。1990年11月以来、26年4ヶ月ぶりの高水準である。一方、新規求人倍率(季節調整値)は前月から0.01pt上昇し、2.13倍となった。3月の求人倍率の内訳について、求職側を見ると、有効求職者数は前月比▲0.1%と2ヶ月連続で減少した一方、新規求職申込件数は同+0.4%と2ヶ月連続で増加した。求人側を見ると、有効求人数は同+0.9%と2ヶ月ぶりに増加し、新規求人数は同+0.9%と2ヶ月連続で増加した。
◆先行きの労働需給は、非製造業を中心とする人手不足感の継続を背景に、タイトな状況が続く見通しである。ただし、ほぼ完全雇用状態に達しているため、就業者数の増加ペースと失業者数の減少ペースが緩やかなものにとどまることで、完全失業率の低下速度は鈍化するとみている。非正規雇用から正規雇用への切り替えが進み、正社員の有効求人倍率が1倍を超えれば、所得も増加する公算が大きい。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年4月全国消費者物価
エネルギー高対策の補助縮小や食料価格高騰が物価を押し上げ
2025年05月23日
-
AI時代の日本の人的資本形成(個人編)
AI時代を生き抜くキャリア自律に向けた戦略
2025年05月22日
-
2025年3月機械受注
民需(船電除く)は事前予想に反して2カ月連続で増加
2025年05月22日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
-
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
-
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
-
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日