11月鉱工業生産

前月比+1.5%と堅調な結果、先行きも増産を見込む

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2016年12月28日

  • 前田 和馬
  • 小林 俊介

サマリー

◆11月の生産指数は前月比+1.5%と、市場コンセンサス(同+1.7%)を下回ったものの、前月から上昇した。一方、11月の出荷指数は同+0.9%と3ヶ月連続の上昇、在庫指数は同▲1.5%と3ヶ月連続の低下、在庫率指数は同▲5.5%と2ヶ月連続の低下となった。生産指数を業種別に見ると、はん用・生産用・業務用機械工業(前月比+3.3%)や輸送機械工業(同+2.0%)の寄与度が大きい。生産と出荷の増加が続いている一方で、在庫調整も同時に進んでおり、足下の鉱工業生産は堅調な推移をしていると評価できる。


◆製造工業生産予測調査で見ると、12月:前月比+2.0%、1月:同+2.2%と、増産が続く計画となっている。ただし、経済産業省による12月の鉱工業生産指数の先行き試算値が、前月比0.0%と横ばいとなっている点には注意が必要だ。


◆2017年2月以降に関しては、生産は一進一退の推移が続くとみている。勤労者世帯の可処分所得および年金受給世帯所得の伸び悩みを背景に、個人消費は横ばい圏での推移が続くとみている。加えて、生産設備の稼働率は上昇を続けているものの、水準としては本格的に回復しておらず、国内設備投資の増加は、人手不足対応の省力化投資や研究開発・省エネ関連投資など、的を絞った内容となる可能性が高い。外需については、一部に堅調な品目がみられるものの、当面横ばい圏での推移が続くだろう。

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