2016年9月全国消費者物価

日銀参考系列のプラス幅縮小が継続

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2016年10月28日

  • 齋藤 勉
  • 金融調査部 主任研究員 長内 智
  • 小林 俊介

サマリー

◆2016年9月の全国コアCPI(除く生鮮食品、以下コアCPI)は前年比▲0.5%となり、市場コンセンサス通りの結果となった。コアCPIは7ヶ月連続の前年比マイナスと弱い動きが続いており、日本銀行の2%のインフレ目標や政府の目指す「デフレ脱却」には程遠い状況にある。


◆2016年10月の東京都区部コアCPI(中旬速報値)は、前年比▲0.4%(9月:同▲0.5%)と8ヶ月連続のマイナスとなった。前月からの寄与度の変化を確認すると、「耐久消費財」のマイナス寄与が縮小し、「半耐久消費財」、「サービス」のプラス寄与が小幅に拡大した。「コア非耐久消費財(除く生鮮食品)」はほぼ横ばいであった。


◆先行きのコアCPIの前年比は、引き続き円高(物価押し下げ要因)と2月半ば以降の原油高(物価押し上げ要因)という逆方向の影響がせめぎ合う中で、小幅なマイナス圏での推移がしばらく続くと想定している。ただし、足下の輸入価格指数は下げ止まりつつあり、輸入を通じた消費者物価の下押し圧力は、ラグを伴いながら徐々に緩和する見込みである。当社は、コアCPIが明確にプラス転換する時期は年末以降になるとみている。

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