9月消費統計
7-9月期の個人消費は緩やかに減速したもよう
2016年10月28日
サマリー
◆2016年9月の家計調査によると、実質消費支出は季節調整済み前月比+2.8%と2ヶ月ぶりに増加した。一方、振れの大きい住居や自動車などを除いた実質消費支出(除く住居等)は同+2.1%と2ヶ月ぶりに増加した。
◆実質消費支出の動きを費目別に見ると、「交通・通信」(前月比+12.0%)、「諸雑費」(同+9.9%)、「住居」(同+10.8%)などが前月から増加した一方、「保健医療」(同▲8.0%)と「食料」(同▲1.0%)などが減少した。
◆先行きの個人消費は、横ばい圏での推移を予想する。労働需給がタイトな状況にある中、非製造業を中心とした労働需要の高まりから雇用者数が継続的に増加しており、マクロの賃金が押し上げられている。加えて、消費者物価上昇率は当面前年比マイナス圏で推移すると予想され、物価の影響を取り除いた実質賃金が底堅く推移するとみられることも個人消費を下支えしよう。しかし、11月14日に発表される7-9月期実質GDP(一次速報)の個人消費については、天候不順に伴う季節商品の消費不振などが要因となり、3四半期ぶりのマイナス成長となる可能性があるとみている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2021年01月20日
日本経済見通し:2021年1月
1-3月期は小幅な景気悪化を見込むも「二番底」リスクを排除できず
-
2021年01月20日
日本経済中期予測(2021年1月)解説資料
~コロナ禍で変容する世界経済と加速するグリーン化の取組~
-
2021年01月20日
日本経済中期予測(2021年1月)
コロナ禍で変容する世界経済と加速するグリーン化の取組
-
2021年01月20日
中国:V字回復下の中国経済の注目点
感染第2波は回避へ。注目される接触型消費の完全復活の成否
-
2021年01月20日
新たな科学技術・イノベーション政策への期待
よく読まれているリサーチレポート
-
2020年12月17日
2021年の日本経済見通し
+2%超の成長を見込むも感染状況次第で上下に大きく振れる可能性
-
2020年12月01日
2020年10月雇用統計
有効求人倍率が1年半ぶりに上昇
-
2020年11月20日
日本経済見通し:2020年11月
経済見通しを改訂/景気回復が続くも、感染爆発懸念は強まる
-
2020年08月14日
来春に改訂されるCGコードの論点
東証再編時における市場選択の観点からも要注目
-
2020年10月15日
緊急事態宣言解除後の地域別観光動向/Go To トラベルキャンペーンのインパクト試算
ローカルツーリズムが回復に寄与するも、依然厳しい状況が続く