サマリー
◆2016年9月の家計調査によると、実質消費支出は季節調整済み前月比+2.8%と2ヶ月ぶりに増加した。一方、振れの大きい住居や自動車などを除いた実質消費支出(除く住居等)は同+2.1%と2ヶ月ぶりに増加した。
◆実質消費支出の動きを費目別に見ると、「交通・通信」(前月比+12.0%)、「諸雑費」(同+9.9%)、「住居」(同+10.8%)などが前月から増加した一方、「保健医療」(同▲8.0%)と「食料」(同▲1.0%)などが減少した。
◆先行きの個人消費は、横ばい圏での推移を予想する。労働需給がタイトな状況にある中、非製造業を中心とした労働需要の高まりから雇用者数が継続的に増加しており、マクロの賃金が押し上げられている。加えて、消費者物価上昇率は当面前年比マイナス圏で推移すると予想され、物価の影響を取り除いた実質賃金が底堅く推移するとみられることも個人消費を下支えしよう。しかし、11月14日に発表される7-9月期実質GDP(一次速報)の個人消費については、天候不順に伴う季節商品の消費不振などが要因となり、3四半期ぶりのマイナス成長となる可能性があるとみている。
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