サマリー
◆2008年のリーマン・ショック以降、日米の短期金利差の円/USドルレートへの影響はあまり観察されなくなったが、国債の日米金利差の円/USドルレートへの影響は引き続き観察されている。
◆2015年以降、2年国債の日米金利差の円/USドルレートへの影響は顕著には観察されなくなったが、10年国債の日米金利差の円/USドルレートへの影響は引き続き観察されている。
◆2016年に入っても10年国債の日米金利差の円/USドルレートへの影響が観察され続けている背景には、日本10年国債金利が大幅に低下したにもかかわらず、米国10年国債金利が更に大幅に低下したことにより、日米金利差がわずかながら縮小したことがあり、10年国債の日米金利差の円/USドルレートへの影響は、米国10年国債金利の動きにより生じている。
◆米国10年国債金利は、独自の要因により大幅に変動し得る一方、日本の10年国債金利の今後の変動幅は、日銀の「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」政策により0.1%未満におさまることが見込まれることから、米国10年国債金利がどう動くかが、今後の為替レートを見る上での注目ポイントである。
◆米国10年国債金利は、米国の国内要因のみならず、チャイナ・ショックやECBの量的緩和政策などの米国の国外の要因によっても影響を受けて変動しており、それらの米国の国外の要因にも注目することが必要である。
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