サマリー
◆2016年8月の貿易統計によると、輸出金額は前年比▲9.6%と、11ヶ月連続で前年を下回った。米国向け輸出数量の急減が背景にある。また、為替の円高方向への推移が続いていることを主因として、輸出価格の低下が続いていることも、輸出金額の下押しに寄与している。輸入金額は同▲17.3%と20ヶ月連続で前年を下回った。この結果、貿易収支は▲187億円と3ヶ月ぶりの赤字となった。
◆季節調整値で見た輸出金額は前月比▲0.0%と2ヶ月連続の減少、輸出数量は同▲0.5%(季節調整値は大和総研による)と2ヶ月連続の減少となった。輸出数量を地域別に見ると、米国向けが同▲12.4%と大幅に減少した。EU向けも同▲1.8%と2ヶ月連続の減少、アジア向けは同+0.1%と、小幅ながら2ヶ月ぶりの増加となった。品目別では、これまで堅調に推移していた米国向け自動車が大きく減少した。さらに、アジア向けの鉄鋼、非鉄金属輸出の減少も下押しに寄与したとみられる。一方、アジア向けICの輸出数量は増加が続いている。新型スマートフォンの発売が背景にあると考えられる。
◆先行きの輸出は、強弱入り混じりながらも横ばい圏での動きを続ける公算が大きい。世界全体の緩和的な金融環境に支えられる形で家計消費関連需要は相対的に好調である一方、低稼働率と資源価格の低迷が続く中で企業部門需要に相当する素材・資本財の本格的な回復には相応の時間を要するだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2026年1月機械受注
製造業の反動減などにより、船電除く民需は2カ月ぶりに減少
2026年03月19日
-
2026年2月貿易統計
春節の影響で輸出数量は減少、今後は中東リスクが懸念材料に
2026年03月18日
-
2026年3月日銀短観予想
製造業の業況は改善見込みも、中東情勢の緊迫化で先行きは悪化へ
2026年03月18日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
-
2026年の東証改革の方針
上場会社の質の向上と新陳代謝を促進する市場機能の強化
2026年02月02日
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
-
第228回日本経済予測
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年02月20日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
2026年の東証改革の方針
上場会社の質の向上と新陳代謝を促進する市場機能の強化
2026年02月02日
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
第228回日本経済予測
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年02月20日

