サマリー
◆金融緩和をしても物価が持続的には上がらない状況が続く中で、自然利子率の低下が長期デフレの原因になっているという見方が広がっている。
◆その見方によれば、金融政策による金利の引き下げには下限があることから、財・サービスの需給を均衡させる自然利子率がその下限の金利を下回ってしまうと、金融政策によって物価を上げることができなくなり、デフレからの脱却が難しくなる。
◆技術進歩の加速は、自然利子率を上昇させることから、イノベーションの促進は有効なデフレ対策である。
◆人口減少は自然利子率を引き下げることから、少子化対策はデフレ対策になる。ただし、少子化対策が人口トレンドを変えるためには長い時間がかかる。
◆拡張的財政政策は、講じられている間のみ自然利子率を引き上げるが、長期にわたる金融緩和と有効に組み合わされた場合には、持続性のあるデフレ対策となる可能性がある。ただし、デフレ対策としての効果がいつまでも挙がらず、将来世代の負担を増やすだけに終わるリスクもある。
◆貿易・投資の自由化は有効なデフレ対策であり、直近は国内の賃金を低下させたとしても、デフレを深刻化させることにはならない。ただし、貿易・投資の自由化が賃金を低下させて貧富の格差を拡大する可能性については、適切な対策が取られる必要がある。
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