グローバリゼーションと貧富の格差の関係を経済理論で考えると?

先進国の労働者のグローバリゼーションへの不満に合理性はないのか?

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2016年07月19日

  • 金子 実

サマリー

◆グローバリゼーションは貧富の格差を拡大するという見方が、アメリカやイギリスで政策決定への影響力を拡大している。


◆標準的な新古典派貿易理論では、先進国も発展途上国も国全体としてはグローバリゼーションによって豊かになるが、それぞれの国の所得分配に与える影響も考えると、先進国の労働者は、グローバリゼーションによって絶対的にも豊かにならない可能性がある。


◆企業の異質性を前提にした新しい貿易理論でも、グローバリゼーションは貧富の格差を拡大する可能性があり、その可能性についての研究が進展している。


◆先進国の貧しい労働者の状況が理解され、真剣な対応がなされることにより、彼らも全体の利益を考えられるようになることが重要である。

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