サマリー
◆2015年10月の貿易統計では、輸出金額は前年比▲2.1%と14ヶ月ぶりの減少となった。しかし季節調整値で見れば底打ち感が見られ始めており、必ずしも悪い結果ではない。とりわけEU向けの自動車や関連製品とみられる自動車部品・鉄鋼などの輸出が大幅な伸びを示した。加えて米国向け、アジア向け輸出数量も小幅ながら季節調整値で見れば増加に転じている。輸入金額は同▲13.4%と10ヶ月連続の減少となり、貿易収支は+1,115億円と7ヶ月ぶりの黒字となった。
◆今月の結果は、海外需要が最悪期を脱しつつあることを示唆する内容であった。もちろん、輸出の本格的な回復には相応の時間を要するだろう。とりわけ原油価格下落やドル高が企業部門の重石となっている米国と、過剰設備の調整が必要なアジア向けの資本財や素材の輸出の不調が当面続く可能性には注意が必要だ。ただし先行きの輸出は、強弱入り混じりながらも緩やかな回復基調に復するだろう。米国では家計部門を中心に底堅い景気拡大が続いており、耐久財を中心に輸出の増勢回復が見込まれる。欧州向け輸出については原油価格下落やECBによる量的緩和の効果などから持ち直しており、均してみれば回復基調に復するだろう。アジア経済に関しては、中国の預金準備率引き下げや利下げなどによる実体経済の底上げが確認され始めており、消費財などを中心に一段の需要減少は回避される公算が大きい。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2026年8月全国消費者物価
電気・ガス料金支援でエネルギー価格下落、コアCPI上昇率は低下
2026年09月18日
-
日銀、9月会合で1.25%に利上げ 今後も利上げ路線を堅持
家計の利払い負担増は賃金上昇が吸収も利上げ長期化リスクに留意
2026年09月18日
-
2026年8月貿易統計
中東情勢による資源高が続き、4カ月連続の貿易赤字
2026年09月16日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
-
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
-
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
-
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
-
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日

