7月全国消費者物価

コアCPIは前年比ゼロで踏みとどまるも、下方向へのリスクが高まる

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2015年08月28日

  • 金融調査部 主任研究員 長内 智
  • 小林 俊介

サマリー

◆2015年7月の全国コアCPI(除く生鮮食品、以下コアCPI)は前年比0.0%と、市場コンセンサス(同▲0.2%)を上回った。総じて見ると、コアCPIの前年比はゼロ近傍での推移が続いており、日本銀行の2%のインフレ目標や政府の目指す「デフレ脱却」には程遠い状況にあると言えよう。


◆2015年8月の東京コアCPI(中旬速報値)は、前年比▲0.1%(7月同▲0.1%)と2ヶ月連続のマイナスとなった。東京コアCPIの結果を踏まえると、8月のコアCPIは前年比▲0.1%となる見込みである。


◆先行きのコアCPIの前年比は、小幅なマイナスに転じ、しばらくマイナス圏で推移すると考えている。ここ最近になって、中国をはじめとする世界経済の減速懸念の高まりなどから、WTI原油先物価格が一時40ドル/バレルを下回る水準まで急落し、さらに「リスクオフ」の円高が進むなど、新たな下押し圧力が生じている点にも注意したい。


◆前月からの大きな環境変化として、世界経済の減速懸念などを背景とする原油安や円高によって、わが国の経済・物価情勢に対して下方向のリスクが高まっていることが挙げられる。日本銀行はいわゆる2つの「柱」に基づいて経済・物価情勢の点検を行っているが、足下では、そのいずれの「柱」についても不確実性が増していると言えよう。

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