経済指標の要点(6/17~7/22発表統計分)

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2015年07月22日

  • 永井 寛之
  • 山口 晃

サマリー

◆2015年5月の企業関連の指標は、弱さの目立つ内容であった。鉱工業生産指数は前月比▲2.1%と2ヶ月ぶりに低下した。輸出数量指数(大和総研による季節調整値)は前月比▲3.6%と2ヶ月連続の低下となった。また、第3次産業活動指数は、前月比▲0.7%と3ヶ月連続で低下した。


◆2015年5月の家計関連の指標を見ると、個人消費が弱い動きを示した一方、労働需給はタイトな状況が続いていることが確認された。実質消費支出は前月比+2.4%と増加に転じたものの、前月の大幅な落ち込みを取り戻すには至っていない。完全失業率(季節調整値)は前月から横ばいの3.3%となった。有効求人倍率(季節調整値)は前月から0.02pt上昇し、1.19倍となった。


◆8月17日に公表される4-6月期のGDP(一次速報)への注目度が高い。現時点で公表されている基礎統計から実質GDP成長率を予想すると、マイナス成長となる見込みである。特に、海外需要の停滞の影響から輸出数量は4月、5月と減少した。この結果、外需寄与がマイナスとなり、これがGDP成長率をマイナスへと下押しする最大の要因になるとみられる。最もウェイトの大きい需要項目である個人消費を供給側統計で見ると、耐久消費財が4月以降、軽自動車税の引き上げによる反動で軽自動車の販売が急減したことを背景に弱さが見られる。需要側統計で見ても、家計調査ベースの実質消費支出は弱い動きを示しており、個人消費は前期比でマイナスになることが予想される。

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