6月日銀短観予測

大企業製造業の業況判断は改善、設備投資は前年比+0.7%を予想

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2014年06月19日

  • 齋藤 勉

サマリー

◆7月1日に公表予定の2014年6月日銀短観において、大企業・製造業の業況判断DI(最近)は18%pt(前回調査からの変化幅:+1pt)、大企業・非製造業の業況判断DI(最近)は17%pt(同:▲7pt)を予想する。消費税増税後の反動減で、非製造業は大幅な悪化が避けられない。一方、国内企業の設備投資の活発化などを背景に、製造業では改善が示されると予測する。


◆製造業では、工作機械や電子部品で国内外の需要が旺盛であり「生産用機械」や「電気機械」で改善が見込まれる。設備投資の増加に伴う需要を背景として「はん用機械」なども堅調に推移するとみている。一方、「自動車」は駆け込み需要の反動減から悪化するとみられる。また、素材系業種では、自動車生産や住宅着工の減少から、業況判断が下押しされる見込みである。


◆非製造業では、「小売」や「卸売」などの業況判断が大きく悪化するとみている。「建設」や「運輸・郵便」では、資材価格の高騰や人手不足による賃金の上昇が収益悪化要因となっており、業況判断も悪化するとみられる。一方、地価の上昇やオフィス市況の改善などを背景に、「不動産」では改善が続く見込みである。


◆2014年度の設備投資計画(全規模・全産業)は、前年比+0.7%を予想する。大企業製造業では、海外経済の回復を受けた輸出向け売上の増加を背景に、前年比+9.0%の増加を見込む。大企業非製造業でも、内需拡大を背景とした業績の改善に伴い、設備投資は増加が続く可能性が高い。

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