11月消費統計

11月は衣料品を中心に増加。増税後の個人消費は所定内給与の動向次第

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2013年12月27日

  • 齋藤 勉

サマリー

◆総務省「家計調査」によると、実質消費支出は季節調整済み前月比▲0.3%と、前月から減少した。ただし、振れの大きい住居や自動車などを除いた実質消費支出(除く住居等)で見ると、同+0.2%と2ヶ月ぶりに増加している。自動車に対する支出の増加が続いていることを考慮すると、11月の個人消費は堅調な結果であったと言えよう。


◆経済産業省「商業販売統計」によると、11月の名目小売販売額は、季節調整済み前月比+1.9%と2ヶ月ぶりに増加した。11月の気温低下によって冬物衣料品の販売が好調であったこと、自動車販売が引き続き堅調に推移していることが小売販売金額を押し上げている。


◆2014年4月の消費税増税を前に、駆け込み需要が本格化するとみられることから、年度末にかけて個人消費は増勢を強める見込みである。特に、足下で堅調な推移を見せている自動車や家電などの耐久財を中心に、駆け込み需要が大きく生じる見込みである。


◆2014年4月以降は、駆け込み需要の反動減により、一時的に個人消費は大幅に落ち込む可能性が高い。その後の個人消費のトレンドは、所定内給与の動向に大きく左右されると考えている。

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