12月日銀短観予測

業況判断は高水準での推移が続く。設備投資計画は上方修正の見込み

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2013年12月09日

  • 齋藤 勉

サマリー

◆12月16日に公表予定の2013年12月日銀短観において、大企業・製造業の業況判断DI(最近)は14%pt(前回調査からの変化幅:+2%pt)、大企業・非製造業の業況判断DI(最近)は15%pt(前回調査からの変化幅:+1%pt)と、それぞれ小幅ながら改善が続くと予想する。


◆製造業では、円安によって収益と価格競争力を改善させている「自動車」や「電気機械」は、消費税増税を前に国内の販売も堅調に推移しており、引き続き業況感も高水準での推移が続く見込み。一方で、「食料品」や「金属製品」などの業種では、円安による投入価格の上昇を販売価格に転嫁しきれておらず、コストが上昇している。業績にもネガティブな影響を与えており、業況感は悪化する可能性が高い。非製造業では、公共事業の増加、堅調な住宅販売を背景に、「不動産」や「建設」などの業種で業況感の改善が続くだろう。


◆先行きに関しては、海外の景気動向と、2014年4月に予定されている消費税増税の影響が焦点になるだろう。海外経済の回復を背景に、輸出企業を中心に業況感の改善が見込まれることに加えて、駆け込み需要の発現により対家計サービス業などでは業況感が改善する見込みである。ただし、4月以降反動減が生じた際には、業況感も悪化することは避けられないため、一時的な改善であることに注意が必要である。


◆2013年度の設備投資計画(全規模・全産業)は前年比+4.8%と、前回調査(同+3.3%)から上方修正されると予想する。大企業では、製造業、非製造業ともに計画が上方修正されるだろう。中小企業でも、設備投資計画は前年比増加となる見込み。

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