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ルペン大統領誕生の可能性は皆無ではない

フランスがNATOを離脱して親ロシア派政権に?

2022年04月19日

ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 菅野 泰夫

サマリー

◆4月10日に行われたフランス大統領選の第1回投票の結果、現職のマクロン大統領が27.9%の得票率で第一位、反NATO、移民排斥を掲げる極右政党、国民連合のマリーヌ・ルペン党首が同23.2%で第二位となり、決選投票進出を決めた。決選投票がこの両者の対決となった場合には、マクロン大統領の勝利が世論調査で示唆されてきたが、直近の世論調査では大統領のリードは小さくなりつつあり、ルペン候補が終盤に支持率を伸ばしたことが、市場の動揺を招いている。

◆選挙戦の鍵を握るのが、大統領選挙で第三位となったメランション候補の支持者といわれている。ルペン候補は大胆に、極左のメランション候補支持者から多くの票を勝ち取ろうとしている。メランション候補は10日夜、支持者に対し決選投票でルペン候補には一票も与えるべきではないと訴えたが、世論調査からは支持者の一部はルペン候補に票を投じる可能性が示唆されている。

◆決選投票の行方は、4月20日に予定されている両候補のテレビ討論に大きく左右される可能性がある。ルペン候補は5年前の討論で振るわず、それが主な敗因となったと指摘されている。ルペン候補が大統領になれば、現在西側諸国が結束して発動している対ロシア制裁において大きな溝が生まれる可能性がある。4月24日以降にEUのリーダー国であるフランスが、反NATOを掲げ、親ロシア派として生まれ変わる可能性は低いが、皆無ではないことに十分留意する必要があるだろう。

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