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地銀のアライアンスの現状と課題

~アライアンスの意義と日本型商業銀行の行方~『大和総研調査季報』2022年新春号(Vol.45)掲載

金融調査部 主席研究員 内野 逸勢

サマリー

地域銀行(地銀)業界でのアライアンス(業務提携と資本提携)が、政府の地銀再編の施策も機能し始めたことで、本格化しつつある。アライアンスの種類には、地銀同士の業務提携と資本提携、そして地銀以外の大手銀行、証券会社等いわゆる金融プラットフォーマーとの業務提携と資本提携に分類される。その目的は、業務粗利益の向上と営業経費の削減による経費率の改善である。業務粗利益の向上には、本業以外の地域ビジネス等への参入という多角化戦略が含まれる。その一方、アライアンスの評価の軸の設定が投資家から求められていると考えられる。評価の軸とは、連結ROEと相関が高い、連結リスク資産収益率(RORA)の向上が将来的に達成できるかどうかであろう。多角化戦略を取ったとしても、現状の健全性を維持したままで地域のリスク資産を積み上げても、リターンの水準が低いままとなる。これを回避するためには、地域の多様なニーズをさらに深掘りして地域のリスクに積極的にコミットしていく必要が出てこよう。アライアンスを地銀業界全体の経営基盤強化につなげ、地域顧客へのより丁寧なマーケティングによる個別行の顧客基盤の再構築ができるかが、日本の商業銀行のビジネスモデルの行方を左右しよう。

大和総研調査季報 2022年4月春季号Vol.46

大和総研 リサーチ本部が、その長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、経済、金融資本市場及びそれらを取り巻く制度を含め、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。

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