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日銀短観(2021年9月)による資金繰り点検

資金繰り判断DIの連続改善止まる、年度後半の資金繰り環境に注目

金融調査部 研究員 遠山 卓人

サマリー

◆日本銀行から全国企業短期経済観測調査(短観)の2021年9月調査結果が発表された。企業金融関連DI(全規模・全産業)に関して、資金繰り判断DI(前回調査:11%pt)、金融機関の貸出態度判断DI(前回調査:18%pt)、借入金利水準判断DI(前回調査:0%pt)はいずれも前回と同水準であったほか、借入金利水準判断DI(先行き)は前回調査から1%pt低下し4%ptとなった。今回の短観の企業金融関連DIに関しては、全体として前回調査から大きな変化が見られなかった。

◆宿泊業、飲食サービス業に関して、資金繰り支援の積極的な利用を背景に企業経営の安全性を示す自己資本比率が足元で悪化傾向にあり、他業種と比べても負債への依存度が強まっている。政府系金融機関による実質無利子・無担保融資が2021年末で終了予定であること、および新型コロナウイルスの新規感染者数が再び増加する可能性があることを踏まえると、現時点で資金調達を行えている企業についても今後収益が悪化する中で資金確保も困難になるという厳しい状況に直面する可能性があると思われる。完全な感染収束が見通せない中、新型コロナウイルス感染症の影響が依然として強く残る宿泊業、飲食サービス業の収益環境、財務状態を引き続き注視する必要があるだろう。

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