2021年09月17日
サマリー
◆9月1日に公表された法人企業統計によると、2020年度の資金調達額は138兆9,611億円と、前年度比で約1.6倍に増加した。資金調達額が急増した背景としては、①コロナ禍で収益環境が悪化する中で借入金等を活用した外部資金の調達が行われたこと、②配当額、人件費等の削減による内部資金の確保が行われたことがあると考えられる。
◆法人企業景気予測調査の結果を踏まえると、2021年度の資金調達に関しては、民間金融機関、政府系金融機関からの資金調達や内部資金の活用が中心になると考えられる。また、企業収益については前年度比で改善することが見込まれるものの、業種間で回復ペースに差が見られることが予想される。
◆東京大学の仲田泰祐准教授らの研究チームによると、シナリオによっては2021年度の後半に新型コロナウイルスの新規感染者数が再び増加すると予測されている。度重なる営業規制により財務体質の悪化に歯止めがかからない状況で感染再拡大の予測が現実のものとなった場合、宿泊業、飲食サービス業等の業種、および中小企業における資金調達環境、収益環境は厳しさを増すものと思われる。政府によるワクチン普及のための施策、資金繰り支援策がどのように展開され、企業の資金調達環境、収益環境がどのように変わるかに注目したい。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
「資産形成と成長の好循環」のための金融・資本市場の方向性
社債市場の活性化と家計の資産構成見直しが重要
2026年05月29日
-
反対3名で日銀は金利据え置きを決定
政策委員の投票行動による政策変更のシグナル
2026年05月07日
-
インフレ懸念vs.景気下押し懸念
金融政策の舵取りは複雑化も、予防的利上げが必要
2026年04月21日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
コーポレートガバナンス・コードの改訂案が公表
本質的な取組みと丁寧なエクスプレインが期待される
2026年04月27日
-
第229回日本経済予測
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年05月25日
-
変革迫られる学校法人の資産運用
AOP対応は、少子化・インフレの荒波を乗り越えるための第一歩
2026年05月07日
-
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
コーポレートガバナンス・コードの改訂案が公表
本質的な取組みと丁寧なエクスプレインが期待される
2026年04月27日
第229回日本経済予測
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年05月25日
変革迫られる学校法人の資産運用
AOP対応は、少子化・インフレの荒波を乗り越えるための第一歩
2026年05月07日
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日

