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日銀の付利制度が高める金融政策の実効性

金融機関の収益を補助し、マイナス金利の深掘りも選択肢に

金融調査部 研究員 中村 文香

サマリー

◆2021年3月の金融政策決定会合で「貸出促進付利制度」が導入された。金融機関自身が一定のリスクを取って融資を行うことで、日銀からより多くの補助金が支給される仕組みだ。金融機関が受け取るインセンティブは現行のコロナオペより増加する。

◆金融政策運営の面では、イールドカーブの水準・形状によらず、金融機関の収益を補助できる仕組みを導入したことにより、長短金利の引下げを含む追加緩和策を使う素地が整えられた。実際にマイナス金利の深掘りを行うことのできる環境を作っただけでなく、日銀が利下げを行う可能性があると市場参加者に意識させることができるようになり、日銀は政策の自由度と実効性を高めたといえよう。

◆コロナオペの利用が多いとみられる地域金融機関も今回の決定で恩恵を受ける。しかし、今後3年で、政府が予算措置を講じたコロナ関連貸出の利子補給期間が終了し、5年で元本返済の繰延期間が終了する。地域金融機関に対する経営基盤強化・再編を促す施策の多くは3年もしくは5年の時限措置だ。地域金融機関は施策による追い風がある3年から5年のうちに経営基盤の強化等の検討を行うことが望ましい。

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