2017年03月24日
サマリー
◆全国の証券取引所取引に対し、取引所外取引での取引の構成比が上昇している。取引所外取引の一部を占める、PTS(私設取引システム)での取引はそれほど増えていない。
◆取引所外取引で増えている大口以上の取引は、日銀のETF(指数連動型上場投資信託)購入動向と連動性が高く、取引所外取引の増加は日銀のETF購入が増えていることが背景と考えられる。
◆証券会社が指定参加者として、ETFの価格調整や組成に係わり、必要な銘柄を手当てしなければならないことから、ETF発行の増加は証券自己の買いになっていると考えられる。証券自己は海外投資家の先物売買を現物株の売買に転換している可能性もあり、市場全体でインデックス運用が増えていると言える。
◆インデックス運用の増加のマイナス面として、個別企業に対する株式市場のガバナンス低下などが挙げられる。一方、個人投資家などにとって分散投資を容易にするプラス面がある。
◆ETF市場における個人投資家の売買の規模は、現物株や投信への資金流出入よりも圧倒的に小さいが、個人のETF売買は必ずしもパッシブな運用ではなく、新たな投資ツールとして積極的な利用が増えている可能性がある。
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