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MMF規制改革による米国金融仲介構造の変化

利上げとドル高が海外から米国にフィードバックされる仕組み

政策調査部 主席研究員 土屋 貴裕

サマリー

◆米国のMMF規制改革が2016年10月に施行され、1兆ドル規模のプライムMMFからガバメントMMFへの資金シフトが生じ、MMFの資産構成に変化をもたらした。CPやCDでの運用が大きく減少し、米国債などとレポでの運用額が増加した。


◆MMFによるCPの保有が大幅に減少し、CPによる海外金融部門の調達が減少したように、MMFの資金シフトの影響は、海外に波及した可能性が高い。


◆レポ市場でのMMFの運用は大幅に増えた。レポ市場は海外部門が資金の取り手でも出し手でもあり、同時にMMFなどの資金をFRB(連邦準備制度理事会)が吸収している構造となっている。主要な部門ながら海外部門の具体的な主体は明確ではない。


◆MMFの資金が政府債務に向かい、銀行間市場の相対的な位置づけは高まった。FRBの利上げが重なり、インターバンク金利のLIBORが押し上げられ、新興国通貨の減価につながっている可能性が考えられる。


◆MMFの規制変更によって、レポ市場が短期ホールセール資金調達の中心になり、海外主体の存在感の高まりは金融仲介の構造変化と言える。低利で短期の資金調達環境に変化が生じたことで、過剰流動性の巻き戻し懸念がある。新興国通貨の急落など、米国外での市場の動揺が生じた場合は、レポ市場を経由して米国に影響が及ぶ可能性がある。

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