登場から1年、AIの潮流から考えるChatGPTのあるべき活用法

~積極的な業務プロセスへの活用が成長の鍵~『大和総研調査季報』2023年秋季号(Vol.52)掲載

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  • データドリブンサイエンス部 鎌田 紀彦

サマリー

「ChatGPT」、まるで人間のようにあらゆる会話に対応したチャットサービスの登場から1年が経過しようとしている。登場からわずか5日間で100万ユーザーを獲得し、順調に利用者数を伸ばしてきたChatGPTではあるが、2023年6月以降はユーザー訪問数に減少が見られており、その勢いには陰りも見えつつある。この原因は複数考えられるが、その1つとして「ハルシネーション(幻覚)」が挙げられるだろう。ChatGPTが間違った答えをもっともらしく回答してしまう現象だ。しかし、このような幻覚問題に対しては、既に抑制法も考案されている。

ChatGPT以前のディープラーニングの発展に起因したAIブームにおいても、幻滅期と指摘されるような時期は存在したが、見せかけの停滞に囚われず正しい投資を続けた企業が成功を収めている。ChatGPTではいくらかの課題が指摘されるものの、技術の特性を把握し、適切に対象を見極め、そして安全な運用フローを構築すれば、企業が抱える多くの業務を効率化できる可能性を秘めている。ChatGPTを業務プロセスに迅速かつ貪欲に組み込むことが、人口減少下で生産性に課題が残る日本企業の成長の鍵となるだろう。

大和総研調査季報 2024年春季号Vol.54

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