2022年01月25日
サマリー
◆国内のグリーンボンド発行体が開示する環境改善効果について、どのような指標が採用されているかを整理した。現時点では、環境省の「グリーンボンドガイドライン」に例示された指標に関連したものが採用されるケースが見られるが、その中でもCO₂、エネルギー、水などに関する指標が多く見られる。また、発行体によってはその資金使途に応じて独自の指標を採用するケースも見られた。加えて、同じ種類の開示項目(CO₂等)に関して、その開示の在り方は多様であることが確認された。
◆指標の開示事項が多岐にわたっている背景には、現行のガイドラインで多様な指標の在り方が認められていることがある。公表されている指標の多様性、独自性を踏まえると、現時点では投資家が各発行体のグリーンボンドの環境改善効果を比較することが容易でない段階にあると思われる。今後のレポーティングの在り方については、比較を容易にさせる開示に向けた制度の整備を含む更なる議論が待たれる。
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