伊勢神宮の式年遷宮「常若」から学ぶ和のサステナビリティ<訂正版>

~持続可能な開発目標(SDGs)達成にむけて~

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2016年06月24日

  • 河口 真理子

サマリー

◆SDGsにむけて持続可能な仕組み作りが注目される。G7でも注目された伊勢神宮では、1300年にわたり神殿を造りかえる式年遷宮を20年ごとに行っており、世界でも例を見ない持続可能な活動である。


◆伊勢神宮の在り方と式年遷宮を分析することで、持続可能な仕組み作りへ、以下に示したような興味深い示唆を複数得た。①組織が社会と軸を一つにする価値を提示する、②その価値に共鳴する担い手をつくる、③その価値を継続的に社会に発信し続ける、④拡大ではなく継続を目指す、⑤変えてはいけない本質とそれを守るために時代に応じて変えるべきことを明確に分ける、⑥やたらに時代にあった合理的な理由を考えず、実行する、⑦ステークホルダーを平等に扱う、などである。


◆永遠を目指すために堅牢な建物を石で造るのではなく、式年遷宮では朽ちやすい素木と萱の神殿を定期的に壊して再生し永遠を保っている。この「常若」という逆説的な智慧からは、西洋合理主義的な現在の常識にとらわれず、古今東西の伝統から学ぶことの重要性が見えてくる。

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