排出量取引マーケットレポート 2013.9.20

豪州で政権交代、排出量取引制度が立ち消えになる可能性

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2013年09月24日

  • 大澤 秀一

サマリー

マーケットサマリー(2013/8/22~2013/9/19)

EUA価格は 5か月ぶりに€ 5台を回復

関連トピック

■豪州で政権交代、排出量取引制度が立ち消えになる可能性
豪州連邦議会(二院制)の総選挙の投開票が2013年9月7日に実施され、自由党を中心とする保守連合が下院(定数150)で過半数の90議席を獲得した 。この結果、6年ぶりの政権交代が実現し、9月18日に自由党のトニー・アボット党首が第28代首相に就任した 。保守連合は企業競争力を強化するために炭素税(炭素価格付け制度)の廃止などを公約しており、実現すれば、炭素税の排出量取引制度への移行も立ち消えになる可能性がある。


■オフセット・クレジット(J-VER)は高値安定を維持
国内の認証排出削減量制度の一つである「オフセット・クレジット(J-VER)制度」 の取引価格は、高値安定が続いている。排出削減/森林吸収プロジェクトの登録者およびオフセット・プロバイダー(販売仲介者)等を対象にした環境省のアンケート調査によると、排出削減系J-VERの平均取引価格は5,980円/t-CO2で、地域性・独自性がより反映される森林吸収系J-VERは8,187円/t-CO2であった。


■温室効果ガスの削減目標を話し合う審議会が再開
9月11日、我が国における2020年までの温室効果ガス削減目標などを話し合う、環境省と経済産業省の「中央環境審議会地球環境部会・産業構造審議会環境部会地球環境小委員会合同会合」が1ヵ月半ぶりに再開された。政府が6月に閣議決定した「日本再興戦略 - JAPAN is BACK -」では、11月にポーランドで開かれる国連気候変動枠組条約第19回締約国会議(COP19)までに「1990年比25%減の削減目標」を見直すこととされているが、削減目標を明確に示すか否かで両省の調整がつかなかったためか、中断していた。

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