排出量取引マーケットレポート 2013.3.22

ドイツが製造業企業に対して環境税の条件付き還付措置を延長

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2013年03月26日

  • 大澤 秀一

サマリー

◆マーケットサマリー(2013/2/26~2013/3/21)

軟調な展開が続くが、欧州議会の重要採決を前に価格上昇の兆し


関連トピック

■ドイツが製造業企業に対して環境税の条件付き還付措置を延長
ドイツでは1999年から地球温暖化対策と雇用対策を目的とした環境税(エネルギー税と電気税)が導入されている。しかし、環境税の負担が大きい製造業企業には軽減税率が適用され、さらに納付額が年金保険料の事業主負担額を上回る場合は、上回った額の一部が還付される措置が適用されてきた。この還付措置は一旦、2012年12月で終了したが、税法改正により2013年1月から引き続き施行され、2022年まで延長されることが決まった。還付措置の適用条件は、エネルギーマネジメントシステムISO50001)を導入するか、環境管理監査制度(EMAS)に登録することが求められており、加えて製造業全体でのエネルギー強度の低減(省エネ)目標を達成することが定められている。


■国内の新しいクレジット制度の名称が「J-クレジット制度」に決定
国内の新しいクレジット制度の名称が「J-クレジット制度」に決定した。正式名称は「国内における地球温暖化対策のための排出削減・吸収量認証制度」である。J-クレジット制度は、我が国の地球温暖化対策の重要施策の一つに位置付けられるものである。J-クレジット制度は、現行の「国内クレジット制度」と「J-VER制度」を統合したもので、現在、運用開始に向けて準備委員会が設置されて検討が行われている。制度設計の基本的な方針は、多様な主体が参加できること、信頼性と利便性を高めること、取組みが地域活性化につながること、国際的にも評価・参考とされる内容を目指すこと、である。

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