2012年04月02日
サマリー
1990年代ごろよりビジネスが人権に与える影響への関心が急速に高まっている。企業は国内の本社だけでなく、取引先や消費者、海外の進出先など「サプライチェーン」全体での人権侵害・労働問題への配慮を求められるようになった。このような状況下で、企業の人権問題への主体的な取り組みを求める国際的な枠組みの策定が国際連合などにより進められており、ガイドラインや法規制として一定の影響力を有するようになっている。その一方で、企業側が自らの権利の保護を進めるために政治的活動を強める動きもあり、米国において企業の政治的活動に関する新しい解釈を示した判例が出されたことが議論を呼んでいる。
人権問題などのいわゆる社会的課題は企業ガバナンスの新しい課題になりつつあり、様々な議論にある中でも、企業が主体的にこれらの課題の解決に取り組む姿勢が求められることになるであろう。

大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
米国の資産運用会社に対する反トラスト法訴訟の行方
争点となるパッシブ運用を通じた水平的株式保有の影響
2025年10月31日
-
生成AI時代の人的資本経営と働き方の未来
『大和総研調査季報』2025年秋季号(Vol.60)掲載
2025年10月24日
-
GPIFのESG指数投資削減に求められる説明責任
投資先企業の信任を失えば「市場の持続可能性向上」は実現不可能
2025年10月16日

