2007年11月27日
サマリー
◆ 1991年度から2006年度の各年度における株式持ち合い状況を分析したところ、銀行を含む上場会社全体の持ち合い株の比率(対市場全体)は株数ベースで2005年度の5.5%から06年度は5.9%へと上昇した。
◆ その内訳をみると、事業会社の対銀行との持ち合い比率は低下しているのだが、銀行、事業会社ともに事業会社を相手とした持ち合い比率が増加しており、結果として全体の持ち合い比率が上昇した。
◆ 事業会社同士の持ち合いでは持ち合い相手の数も増加が続いており、新たな持ち合いが形成されたことが窺える。戦後から続いた持ち合いは銀行と事業会社との間で行われていたが、ここ数年は事業会社同士での持ち合い強化の動きが出ており、それが06年度も続いているといえよう。
◆ 06年度の事業会社同士の持ち合い形成を調べると、持ち合い株式の増加上位業種は鉄鋼、電気機器、輸送用機器であった。これは、トヨタ、松下電器、新日本製鐵などが積極的に株式持ち合いを増やした影響が大きい。
◆ 持ち合い強化の背景には、事業拡大などのための資本提携や敵対的買収に対する防衛などが考えられる。目的は何であれ、これら持ち合いが企業価値の向上に繋がることが肝要であり、今後、その持ち合いが具体的な企業価値向上に寄与していることの実証が求められよう。
強化が続く事業会社の株式持ち合い、銀行も強化へ
◆ その内訳をみると、事業会社の対銀行との持ち合い比率は低下しているのだが、銀行、事業会社ともに事業会社を相手とした持ち合い比率が増加しており、結果として全体の持ち合い比率が上昇した。
◆ 事業会社同士の持ち合いでは持ち合い相手の数も増加が続いており、新たな持ち合いが形成されたことが窺える。戦後から続いた持ち合いは銀行と事業会社との間で行われていたが、ここ数年は事業会社同士での持ち合い強化の動きが出ており、それが06年度も続いているといえよう。
◆ 06年度の事業会社同士の持ち合い形成を調べると、持ち合い株式の増加上位業種は鉄鋼、電気機器、輸送用機器であった。これは、トヨタ、松下電器、新日本製鐵などが積極的に株式持ち合いを増やした影響が大きい。
◆ 持ち合い強化の背景には、事業拡大などのための資本提携や敵対的買収に対する防衛などが考えられる。目的は何であれ、これら持ち合いが企業価値の向上に繋がることが肝要であり、今後、その持ち合いが具体的な企業価値向上に寄与していることの実証が求められよう。
強化が続く事業会社の株式持ち合い、銀行も強化へ
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
ISSBがIFRS S2の改正案を公表
温室効果ガス排出量の測定・開示に関する要件を一部緩和
2025年05月16日
-
年金基金のESG投資を実質禁止へ:米労働省
バイデン政権時代に制定されたESG投資促進の規則は廃止へ
2025年05月14日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
-
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
-
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
-
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日