コロナ禍とコンサルティング・ファームの役割

サステナビリティとDXで企業の活気を取り戻そう!

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  • コーポレート・アドバイザリー部 主席コンサルタント 橋本 直彦

サマリー

2020年(令和2年)度は、まさに新型コロナウイルス感染症の脅威に翻弄された1年であった。日本全体が、2011年の東日本大震災にも匹敵するダメージと虚無感にさいなまれた印象だ。そして、今でも我々はこのパンデミックを収束できずにいる。

そういった状況下で、我々コンサルティング会社はどれだけお客様のお役に立てているのだろうか?自問してみるが、甚だ微力であったと反省しきりである。

しかし、企業活動は明らかに次のステージを模索し始めており、新年度を迎えて我々はアフター・コロナを見据えた支援を本格化させていかねばならない。

また、昨年度は、SDGs(=Sustainable Development Goals「持続可能な開発目標」)が定着に向けて動き出した年でもあった。約2年前の2019年1月に執筆したレポート(※1)において、SDGsの浸透プロセスについて3つのステージに分け、啓蒙期を経て、企業個々のビジネス活動にSDGsをリンクさせていく時期へ移行すると指摘した。図らずもコロナ禍の影響により、SDGsは普及・浸透のスピードを速めていると言えるだろう。

アフター・コロナを受けて、我々コンサルティング会社が取り扱うテーマにも特色が出てくると思われる。以下に3つのトレンドを取り上げて説明したい。

誤解の無いよう申し上げておくが、我々のお手伝いする分野・テーマは(3つに限らず)すべてお客様のご要望に基づいており、重要性において優劣は存在しない。しっかりとお客様とコミュニケーションをとりながら、最後まで伴走していくことが大切である。

古代ギリシアの哲学者エピクテトスは、「神が人間に1つの舌と2つの耳を授けたのは、自らしゃべるよりも他人から2倍多く聴くためである。」と言った。我々もコンサルティング会社の端くれとして、お客様の声に注意深く耳を傾け、コロナ禍を乗り越えていく処方箋を生み出して行かねばならない。

(※1)文末参考文献参照(橋本 2019)

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