「事業計画」を作成するためには、企業が収益をあげる上でどのように活動するか、ヒト、モノ、カネをどのように使うのかを会社のビジョンにあわせて考える必要がある。その上で、実効性のあるものにするためには、数値面での計画と実現に向けたシナリオの両輪が必要である。しかしながら、シナリオが描かれず、目標数値だけを並べた計画となってしまっている場合も少なからずあるようだ。
事業計画でまず重要なのは売上高の算出過程である。「誰に」「何を」「どれだけ」「いくらで」売るかを想定するのが基本となる。数値上の項目である「どれだけ」「いくらで」と、定性的な項目である「誰に」「何を」の関係がいかに合理的に説明できるかがポイントである。「どれだけ」と「いくらで」の掛け算の積み重ねで計画する売上高が説明できることが望ましい。
次に費用である。先に挙げた売上高との関係で「何を」売るのかにおいて、その「何を」をどのように調達するか、誰かから仕入れてくるのか、あるいは自らが製造するのか。その際に「いくら」の費用が必要となるのかが整理できているか。製造する場合には、そのための原材料や設備、人材の手配が計画に含まれているか。また「誰に」売るのかにおいて、売るための仕組や人繰り、物流がどのように設定されているか。
急成長を見込む事業計画において、今年度1億円の売上高が翌年度に10億円になるという極端なケースもある。単純に売上高が10倍になるとすると、「いくらで」が一定であるとするならば、「どれだけ」が10倍になる納得のいく根拠を説明する必要がある。例えば、販売地域を広めるというシナリオならば拠点の設置コストが費用に入っているか、そこでの人件費が見込まれているかなどの整合性を確認するとともに、拡販地域における需要分析があると、なお実現までの道がわかりやすい計画であるといえる。
このようにシナリオとそれに沿った数値化がなされていると、実行後の検証もやりやすくなる。どの数値が想定と異なっていたのか、「どれだけ」が足りなかった、あるいは「いくらで」が想定よりも下がってしまったなど、その検証を踏まえることで、有効な差異分析が容易ともなる。また、その結果を踏まえて、次の「事業計画」作成にも活用できる。
事業計画を作成するご担当の方々には、四則演算とシナリオの両輪がどのように描けているのか、再確認されることをお勧めする。
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