2022年03月03日
サマリー
◆ASEANの中でも後発国とされるカンボジア、ラオス、ミャンマー(以下、「CLM3ヵ国」)では、日本や欧米等の先進諸国から受ける資金援助の減少や、昨今のコロナ禍の影響で政府・民間両部門において生じている資金不足を背景に、資金調達手段の拡充が急務となっている。
◆主な資金調達手段の1つである債券に関して、CLM3ヵ国における市場規模は極めて小さく、まだ黎明期にあるが、いずれ共通の課題として流通市場の整備が挙がってこよう。その際、タイ、インドネシア、ベトナム3ヵ国の債券市場が、当面の目指すべき市場としてベンチマークになり得ると考えられる。
◆タイ、インドネシア、ベトナムの状況からCLM3ヵ国が得られる示唆は、①OTC取引を前提とした制度や規則の設計・策定が効率的であること、②債券取引に係る規則策定や監視・監督は民間業界団体に委ねるのが効果的であること、③流通市場形成の初期段階ではステップを踏んで発展的な枠組みへと徐々に移行していくことがスムーズかつ現実的であること、の3点に整理できる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
地域で影響を増す外国人の社会増減
コロナ禍後の地域の人口動態
2025年07月24日
-
コロナ禍を踏まえた人口動向
出生動向と若年女性人口の移動から見た地方圏人口の今後
2024年03月28日
-
アフターコロナ時代のライブ・エンターテインメント/スポーツ業界のビジネス動向(2)
ライブ・エンタメ/スポーツ業界のビジネス動向調査結果
2023年04月06日
関連のサービス
最新のレポート・コラム
-
カーボンクレジット市場の新たな規律と不確実性
VCMI登場後の市場と、企業に求められる戦略の頑健性
2025年07月24日
-
金利上昇下における預金基盤の重要性の高まり
~預金を制するものは金融業界を制す~『大和総研調査季報』2025年夏季号(Vol.59)掲載
2025年07月24日
-
企業の賃金設定行動の整理と先行きへの示唆
~生産性に応じた賃金決定の傾向が強まる可能性~『大和総研調査季報』2025年夏季号(Vol.59)掲載
2025年07月24日
-
ドイツ経済低迷の背景と、低迷脱却に向けた政策転換
『大和総研調査季報』2025年夏季号(Vol.59)掲載
2025年07月24日
-
「外国人優遇」は本当か?データで見る国民健康保険・国民年金の実態
2025年07月25日