2013年02月28日
「黒いロングヘア」「細身で長身」「白い肌」が美人とされているベトナム。中でも白い肌への憧れは強く、今街中ではベトナムの若い女性が念入りに日焼けを予防している様子がうかがえる。白い肌は、裕福で育ちの良い印象を与えるという。日本でも「色の白いは七難隠す」と言うほどだ。
ベトナムでの移動手段といえば二輪車。ここ数年、パーカーをかぶり、マスク、サングラス、手袋(もしくは長い袖でカバー)、腰にはエプロンのような日除けをし、完全防備して二輪車に乗った女性が見られる。とてもカラフルであることも特徴的だ。腰の日除けを外せばミニスカートやショートパンツを履いており、「おしゃれはしたいけど焼けたくない」若い女性のニーズに対応している。この格好は常夏のホーチミンではかなり暑そうだが、「焼きたくない」気持ちがよく伝わってくる。

ファッションと共に、スキンケアやメイクアップにも関心が寄せられている。ベトナムの化粧品(注)の市場規模はまだ小さいが、ベトナム人の所得増や情報通信網の発達により拡大しつつある。Euromonitor Internationalによると、ベトナムの2011年の化粧品市場は約5.3兆ドン(約2億ドル、前年比23%増)。全ての分類で増加しているが、中でもサンケア商品(約950万ドル)は前年比34%増とカテゴリーの中で最も高い伸びとなっている。また、2006年から2011年のサンケア商品売上高を周辺国と比較すると、フィリピンが2割、タイが4割伸びているのに対して、ベトナムは3倍と市場が急拡大した。さらに化粧品全体に占めるサンケア商品シェアは、タイ、シンガポール、フィリピンがその間横ばいであるのに対し、ベトナムでは年々上昇しており、ベトナム人の日焼けに対する意識が高まっている様子がうかがえる。

日焼け止めのシェアはロートメンソレータムの「Sunplay」が46.2%と約半数を占めており、シェア2位のバイヤスドルフの「Nivea Sun」を大きく引き離している。「Sunplay」はしっかりガードするタイプから赤ちゃん向けまでの商品をそろえ、高い認知度と手ごろな価格が消費者の支持を得ている。
ベトナムで売れている化粧品は、約9割が海外ブランドである。特に日本の化粧品は高品質な上、ベトナム人の肌にも合うため、人気が高い。資生堂のグローバルブランド「Shiseido」の日焼け止めはプレミアムブランドに分類されるが、既にベトナム国内では5位と4%近いシェアを持つ。日本では最近、スプレータイプやベタつきにくいもの、また保湿や美白効果のある日焼け止めが伸びている。価格帯も手軽なものからプレミアムブランドまで幅広く、バラエティにも富んでいる。これまでは「日焼け止めはべたつくし塗りなおさなくてはいけない」と考えていたベトナム人のニーズに合っている商品も多いのではないだろうか。
ベトナムでは女性がよく働く。所得の増加に伴い、ベトナム人女性が美容などにも自己投資を行うと、ベーシックなスキンケアやサンケアに加え、日焼け後の肌をケアする商品や、スキンケアで美白をするホワイトニング商品の市場も急成長するであろう。
注:ここでは、ビューティーアンドパーソナルケア部門からフレグランス、ヘアケア、オーラルケアを除いたものを「化粧品」としている。
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