2012年01月17日
(要点)
- アジア太平洋地域では、なお6億人以上が絶対的貧困層。高成長が続く中国、インドでも、各々2.4億人、8.1億人が1日2ドル以下で暮らす貧困層。高成長が続く一方で、なお多くの人々が貧困にあえぐというこれらの国の実態は、改めて経済成長と貧困削減の関係という、古くて新しい問題を想起させる。
- 1990年代、マクロ的に経済成長率を高めるだけでは、必ずしも貧困層を救うことにはなっていないとの認識から、特定の貧困層、貧困地域を対象として、よりミクロ的に援助をしていく必要があるという議論が台頭。その後2000年代前半にかけ、所謂pro poor か、pro growthかという二者択一的な対立が見られたが、最近は、どういった成長のペースおよびパターン、どういった所得分配状態を前提にした成長が貧困削減につながるかという建設的な議論が見られている。
- 今後さらに、援助プロジェクトの貧困削減要素がプロジェクトの効率性に与える影響、所得分配の状態が経済成長に与える影響等の検討を進めていく必要がある。
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