圏央道の開通がもたらす沿線経済圏の成立と立地環境の変化

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サマリー

◆2015年3月29日に圏央道の久喜白岡JCT〜境古河IC間が開通。今後3環状9放射ネットワークの完成を前に首都圏の都市構造の変化が見込まれ、とくに圏央道の沿線で工業団地や商業施設の立地が活発化している。都心の渋滞の緩和は言うまでもなく、移動にかかる所要時間の確実性の高まりなど、物流条件における改善効果が期待される。


◆圏央道の整備が進むに伴い、運輸業の事業所が外環道の内側から外側へ移転している。今後、圏央道の沿線に新たな経済圏が成立する可能性がある。具体的には「圏央道沿線のIC・JCTから自動車10分圏内」で新しい物流拠点が立地する可能性の高さを、現状の物流拠点の分布から明らかにした。一部の圏央道沿線の自治体は既に企業立地マニフェストを発表している。重要なのは圏央道開通による立地環境の変化を捉え、戦略的な産業振興策を構築することである。


◆交通ネットワークの変化は物流拠点や商業施設の立地戦略に少なからぬ影響を与える。こうした環境変化をうけて、沿線市町村には新たなまちづくり戦略の構築が求められている。そこで必要なのが都市マーケティングの視点だ。住民の年齢構成やライフスタイルの把握はもちろんのこと、圏央道の開通にともなう都市構造の変化を的確に把握することがポイントだ。

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